maxon Story

maxon はスーパーテレスコープ用自動フィルタチェンジャのサプライヤーです

トピック

LSST at SunsetLSST at Sunset

maxon は、間もなく完成される世界最大の広視野望遠鏡に搭載される、光学フィルタチェンジャシステムのサプライヤーに選ばれました。フランスの 5 つの研究所が参加するこのプロジェクトでは、特に信頼性が高く、10 分の 1 ミリの精度で動作するモータとコントローラーが必要です。

8.4 メートルのミラーと 3.2 ギガピクセルのカメラ (世界最大のデジタルカメラ) を備えた大型シノプティックサーベイテレスコープ (LSST) は、史上最高かつ最大規模のプロジェクトです。そのミッションとは何でしょう?このプロジェクトでは、チリのセロ・パチョン山の頂上にある天文台から目に見える宇宙の境界を拡大することのみならず、今後 10 年間にわたり宇宙の詳細を調査し、銀河分布図を作成することをミッションとしています。


LSST: 世界中から集約された専門知識の結晶


このミッションを達成するため、大型シノプティックサーベイテレスコープ (LSST) は、週に数回、全天を撮影してその変化をカタログ化し、天体の動きを測定します。この天文調査は、太陽系と天の川銀河 (銀河系) の構造と進化を解明する研究に貢献します。プロジェクトの調査結果は、暗黒物質と暗黒エネルギーの謎を解き明かすことに専念するさまざまな研究プロジェクトにも適用される予定です。


米国が企画したこのプロジェクトの予算は、約 6 億 7,500 万米ドル (約 6 億ユーロ) です。約 20 か国が関与するこのプロジェクトは、全世界の研究所からの情報提供を受け、結果の分析に貢献していきます。米国とチリとともに、フランスもフランス国立原子核素粒子物理学研究所 (IN2P3) を通じて、望遠鏡の建設に重要な役割を果たしています。


天文学に貢献する精密エンジニアリング


この望遠鏡は、大気揺らぎや光干渉レベルが非常に低い標高 2,680 メートルのセロ・パチョン山の頂上に設置されています。この望遠鏡は、直径 30 メートル、高さ 17 メートルのドームに収められています。ドームは完全に電動化されており、望遠鏡を回転させ、すべての方向に連続して位置合わせすることができます。

「このカメラは、-100°C に冷却された 3.2 ギガピクセル (32 億画素) のデジタルセンサの周りに取り付けられています」

望遠鏡本体は、3 つの主要な要素で構成されています。重要な要素のひとつは、観測準備において望遠鏡を正確に配置するために使用されるマウントです。次に、3 つの曲面非球面ミラーで構成される光学要素があります。この球面ミラーは、最大のものでは直径が 8 メートル以上にも及びます。最後に、プロジェクトの最も重要な構成部品のひとつであるデジタルカメラがあります。


このカメラは、-100 C に冷却された 3.2 ギガピクセル (32 億画素) のデジタルセンサの周りに取り付けられています。このカメラは、紫外線から近赤外線まで非常に広い範囲の光に敏感であるため、スペクトル全体にわたって測光測定を行うことができます。このカメラには、ユーザが観察する光スペクトルの一部を選択できる光学フィルタシステムが含まれています。


高速光学フィルタチェンジャ


すべての天体観測望遠鏡にはフィルタチェンジャが組み込まれていますが、現在使用されているほとんどのシステムは低速であり、LSST の厳しい性能要件を満たすことができず、同様のサイズの他の機器より 15 倍も速く切り替える必要があります。


そのため、フランスの 5 つの研究所で構成された同研究所のチームは、わずか数分でイメージングカメラに新しいフィルタを配置することができるロボットシステムを共同開発しました。この課題を克服するうえで、同チームは重要な技術的制限に対処しなければなりませんでした。まずは自動フィルタチェンジャを統合し、すべてのコンポーネントをカメラ本体内に収納する必要がありました。さらに、強い地震が発生した場合でも、完全な安定性を保つ必要がありました。

maxon EC40/GP42 と EPOS2 70/10 ポジショニング コントローラという同じメーカーのモータ/コントローラを組み合わせるということは、互換性に問題が生じないということでもあります。

Facility_CU_Nite-full
EC40_GP42_maxon
EPOS2_70_10_maxon
Facility_CU_Nite-full
EC40_GP42_maxon
1/3

同チームは、非常に高価なフィルタ (各直径 75 cm、重さ約 40 kg) を 10 分の 1 ミリの精度で取り扱うことができるデバイスを設計しました。デバイスの中央部分は回転式機構で構成されており、最大 5 つのフィルタを搭載できます。また、任意のフィルタを 20 秒以内に使用できるように配置する能力も備わっています。さらに、フィルタをカメラにロード/アンロードするための自動機構と、カメラ内でフィルタをロードするための機構も別途搭載されています。これら 3 つの要素が組み合わさり、自動フィルタチェンジャが完成しています。


コンパクト、信頼性、サポート


フランス国立原子核素粒子物理学研究所 (LPNHE) が MDP maxon France  に専門的なサポートを求めたのは、こうした事情のためでした。maxon のウェブサイトで提供されているオンラインコンフィギュレータおよび付属の技術文書は、システムへの統合に適した初期コンポーネントの特定に非常に役立ちました。


その後、情報交換を行っていくなかで、MDP - maxon France のソリューションの適合性が検証され、同じサプライヤーのモータとコントローラを組み合わせることで、互換性の問題が生じないことが確認されました。たとえば、回転式機構と自動フィルタチェンジャには、maxon EC40/GP42 および RE40/GP52C ドライブモータと EPOS2 70/10 モジュール式デジタル位置決めコントローラが使用されています。


LSST に取り組む同チームは、コンポーネント、モータ、ギアヘッド、およびコントローラのコンパクト性をはじめとする、さまざまな基準を適用しました。また、これらの構成部品はカメラの心臓部に統合する必要があるため、完全な信頼性も確保されなければいけませんでした。実際に、フィルタチェンジャは、望遠鏡を停止して鏡をアルミ蒸着させるメンテナンスは 2 年ごと、1 回 2 週間のペースに限定されており、それ以外の期間は継続的に機能できるようでなければいけません。


多角的なコラボレーション


光学フィルタチェンジャで実行される作業の厳しい要件は、そのプロジェクトの熱意を反映したものとなっており、LSST に関わるさまざまなステークホルダー間で必要となる幅広いコラボレーションの度合いが垣間見えます。maxon は、自社のオンラインコンフィギュレータ、モータおよび電気システムを通じて、こうした技術的および科学的課題の実現に貢献できたことを非常に嬉しく思っています。
どのようなサポートをお求めであるか、是非ご相談ください。最寄りの maxon エキスパートへお問い合わせください 


画像著作権
LSST; maxon Group
 

Author: maxon HQ