maxon Story
補綴アセンブリ向けカスタムドライブソリューション


適切なモータを使用することで、ミニチュアダイアフラム真空ポンプが義足を所定の位置に保持し、ストラップやベルトが不要となります。ユーザーはより快適に生活できるようになり、ストレスから解放されます。
Dynaflo, Inc., はOEMダイヤフラム真空ポンプおよびコンプレッサーの設計および製造を手掛けるメーカーです。Dynafloには、非常に特殊な用途のニーズを満たすカスタムソリューションを作成してきた歴史があります。同社は、ユーザーに最大限の価値を提供するソリューションを実現するため、サイズ、性能、消費電力、材料要件、およびその他すべての重要な要素を分析して、各課題に取り組んでいます。
義肢の取り付け (主に義足の取り付け) を支援する新たな用途に取り組む際、まず同社は、既存の真空ポンププラットフォームのいずれかを採用できるかどうかを検討しました。以前の設計に微調整を加えることですぐに問題が解消されることはよくあります。この用途のために、同社は新設計の2000シリーズ真空ポンプを作成しました。現在このポンプは、同サイズのダイヤフラムポンプで最大真空レベルを提供する存在となっています (図1を参照)。
一般に、Dynaflo社の製品は、主要な競合他社よりも最大60%も少ない電力で、効率性を最大限に発揮するように設計されています。これを実現するのは、同社独自のさまざまなアプローチです。高品質のベアリング、特殊配合および加工された材料、長いライフサイクルで非常に高い性能を発揮する標準およびセミカスタムDCブラシレスモータなどの低摩耗コンポーネントを組み込むことも、そうしたアプローチのひとつとなります。
同社が設計したポンプはオイルレスであるため、装置を汚染するリスクはありません。ポンプ自体の設計もユニークで、ダイアフラムを伸ばすのではなく曲げるという同社独自のアプローチを活用したものとなっています。このストラテジーにより、ダイヤフラムの変位に必要な力を最小限に抑え、効率性を最大化し、操作に必要な電力が削減されます。こうした数々の利点は、義肢アタッチメント用途において理想的な効果を発揮しています。
一部の義足にはロッキングピンと義足用靴下またはクッションが取り付けられていますが、多くの場合、ストラップやベルトも組み込まれています。これらは取り付けが面倒で、時間の経過とともにぴったりと密着した状態を維持するのも困難になります。さらに、使用されている素材によっては、これらが取り付けられている脚がこすれ、炎症をお起こしたりすることがよくあります。これらの問題の解決策として、吸引ベースのアタッチメントシステムを装備することが考えられました。Dynafloには、この用途のニーズを満たすことができる既製のユニットがなかったため、まったく新しい製品を作成することにしました。同社のエンジニアリングチームが考案したミニチュアダイヤフラム真空ポンプの設計では、適切な動作を保証するため、さまざまな重要な仕様を確保する必要がありました (図2を参照)。
同チームが重視したのは、使用中に真空をまったく失わず、人工装具を装着した状態を維持する方法でした。この、真空が部分的にでも失われるという潜在的な問題により、義手や義足が予期せず外れ、患者に危害が及ぶおそれがありました。同チームは、この問題を解決するには、負荷がかかっているときにポンプを起動できるようにする必要があることを認識していました。これを実現するには、ポンプに使用されるモータは、必要に応じて非常に高いトルクを供給しなければなりませんでした。また、数秒で-27 Hgに到達するポンプの設計にも取り組みました。これらの要件のほかに、ポンプは厚さ0.5インチ未満の小型設計である必要がありました。このため最終的な設計パラメータは非常に特殊なものとなり、実現には苦労を強いられました。
適切なモータ
Dynafloのエンジニアリングチームは、ポンプの動力源としてmaxon RE16モータを選択しました (図3参照)。REモータは、希土類磁石とともにコアレス巻線と貴金属整流を組み込んだ精密ブラシ付きDCモータで、精密な制御を保証し、消費電流は用途のトルク要件に比例します。このポンプのモータソリューションにより、適切な動作に必要な精密な回転運動を提供しつつ、90%以上の高効率をもたらすことが実現しました。
このモータでは、2.5 Wの電力でグラファイトブラシが使用されています。RE13の直径は13 mmで、定格トルク1.44 mNm、最大回転数10,600 rpmで動作します。このような繊細で重要な用途に使用できるモータはmaxonのREシリーズモータのみであり、文字通り唯一の選択肢でした。Dynafloにとって、モータを設計に組み込むことは比較的簡単な作業でした。さらに、REモータは低騒音ソリューションとしても役立ちました。
maxonの技術的専門知識と設計および製造の細部に至るまでの配慮により、このモータはポンプ用途における長いライフサイクルを実現しました。Dynaflo社は長期にわたるポンプの保守性をサポートできるモータを必要としていたため、これは非常に大きなメリットでした。ポンプのコストの大部分がモータにかかっていることを考えると、同社がモータを再利用しながらポンプを一新できることはとても重要でした。maxonのモータは長寿命であるため、Dynafloは何千個ものポンプを新しいヘッドとバルブで更新および再生し、そこに同じモータを使用することができました。
結論
義足アタッチメントで使用されるポンプが正しく動作するためには、適切なモータが必要でした。人体に非常に近い箇所に真空を生成することは、誤作動が起こった場合、潜在的に危険な状態を引き起こす可能性があります。Dynafloのエンジニアチームは、適切なコンポーネントを慎重に選定して使用し、何年も使用できる安全で保守可能な真空ポンプを製造しました。これにより、エンドユーザーが使いやすく、実装しやすい製品が誕生したのです。

